日銀の金融緩和修正

12月20日の日銀による金融緩和政策の修正が話題になりました。
この発表を受けての株安で、私のお金も10万円くらい溶けました。

講談社現代新書の「世界インフレの謎(渡辺努)」が売れています。
大まかには、
○今のインフレは、需要増加ではなく供給縮小が原因
○供給縮小の要因は、パンデミックによる世界的な行動の同期
〇レイオフ後、労働者が職場に復帰しないため、供給が縮小した
○戦争の影響も否定はしない
○世界的なインフレの中では日本のインフレは極端に小さい
○日本の物価が上がらないのは、賃金が硬直的だから
○フィリップス曲線の傾きが急になったため、失業対策に対するインフレ率が激烈となり、特にアメリカの経済政策が難しくなった
〇物価、賃金は人々の予想で決まっていく。

日銀の大きな目標は物価の安定です。
今回のインフレが供給サイドの問題であれば、日銀の取りうる手立ては金融緩和しかないと思いますが、これ以上の緩和は現実的では無いし、また更なる円安に繋がります。
もしかしたら、アメリカに比べて労働者の雇用を守った日本では労働者の離脱が起こらず、供給サイドはあまり痛んでいないのかもしれません。もしそうなら、世界から比較すると緩やかな日本におけるインフレの要因は①円安②輸入価格の高騰で説明できそうです。
すると先の為替介入や今回の利上げによる円高誘導でインフレを抑えていこうという方法は理にかなっているように思えます。

為替相場を安定させようとした場合、金融政策は無効となり、財政政策のみに効果があります。また、利上げは投資意欲を減衰させます。
今後政府がどのような財政政策を打ち出していくのかに注目です。

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