VRIO分析 競争優位性を考える

SWOT分析で、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった内部環境を挙げたときに、それらが本当に強みなのか、どの程度強いのかを考えるために、バーニーの「VRIO分析」が有効です。

Value(価値)
「特定の価値が経済的価値の源泉となる」
顧客にとってのメリットがあるかどうか。普通は、これが無いと事業として成り立っていないと考えられそうです。また、企業のどこに価値があるかを考える際には「バリューチェーン」が有効です。これに関しては改めて紹介します。

Rareness(希少性)
価値があると判断されたものを他の企業が持っているか、提供しているかを考えます。
同様のものが他にあふれているように見えても、当社のものが選ばれている状況があるとしたら、それは他のものと違う「価値」を持っているのであり、希少性があると考えることが出来ます。

Inimitability(模倣困難性)
価値があって希少性があるものであれば、真似をして利益を出したいという新規参入者が出てくるでしょう。
模倣困難性は、①制度で守られている②経路依存性(これまでの経緯が価値の源泉になっている)③因果関係曖昧性 などで考えます。
①と②についてはある程度明確に分析可能ですが、③を特定することは簡単ではありません。
理由は○外からは目に見えない○内側の人には当たり前すぎて気付かないからです。その際には「7S」のフレームワークが手掛かりになります。

Organization(組織)
VRIがあって競争優位性が示されました。これが将来にわたって持続可能かどうかを判断する際に、VRIを維持する組織体制があるかどうかを分析します。
この組織体制には「組織構造」「採用」「教育」「動機づけ」などがありますが、特にIを維持し発展し続けるためのフレームワークとして「知識創造(SECI)」プロセスについて日を改めて紹介します。

たとえば、ラーメン屋さんを例にとって考えます。

顧客にとってうまいラーメン屋だという時点で、「V」を満たします。

そのラーメン屋は、地域には他にない出汁と独特の歯ごたえの麺で、同じ種類のラーメンを提供する店がありません。この時点で「R」を満たします。

そのラーメンの出汁をとる際の材料の配合は、店主の勘に頼っていてどのようにその味が出ているのか全く分かりません。この時点で「I」を満たします。
ちなみに麺は地元の製麺メーカーに細かい注文を出して作っています。注文内容について製麺メーカーとの間に秘密保持契約があれば「I」を満たしますが、他のメーカーが作っていることを考えると模倣困難性が低いと判断できるかもしれません。

店主は、材料の配合等について、弟子にも教えないし、マニュアル化もしていません。最近は店主の味覚が変わり、味が落ちたという評判も立ち始めています。
弟子が「背中を見て学んでいる」状況が出来て、この先もうまいラーメンを作り続けることができると判断できれば「O」を満たしますが、弟子が「やっぱりどう作っているかわからない」という状況であれば「O」を満たしません。

これらの分析は、自社内のブレストやグループワークでわいわいやりながら挙げるのが良いですが、中小企業の場合それもなかなか困難かもしれません。
中小企業診断士が、外からの客観的な眼で分析のお手伝いができると考えています。

ちなみに、画像は「いらすとや」から拝借した「ぶり大根」です。

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