ゴミ箱モデル

組織の意思決定は必ずしも合理的に行われていないことを示す考え方としてゴミ箱モデルがあります。
”企画を何度提示しても明確なフィードバックが無い””唐突にだれかが言った企画が進み、押し付けられる”などのことが起きる組織は、ゴミ箱モデルによる意思決定がされていると思われます。

ゴミ箱モデルは以下の流れで発生します。
1.問題点がある
2.問題点とは無関係な解決策を誰かが持っている
3.多様な参加者がいる
4.意思決定の機会がある
それぞれが脈絡なく存在し、4の意思決定の機会にそれらがたまたま揃ったときに意思決定がされることになります。

ゴミ箱モデルの結果、以下の事が起こります。
1.問題が存在しないのに解決策が提示される
必要性のよくわからない設備投資とか新部門の新設などが唐突に決定されたりします。
2.意思決定されても問題が解決しない
問題点の存在と解決策が論理的に繋がっていないので、解決に至りません。
3.問題が解決しないまま残る
問題が解決されないことに慣れてしまい、そのまま放置されます。
4.問題が解決されることもある

ゴミ箱モデルは①組織の目標そのものが曖昧②因果関係が曖昧③人員が頻繁に入れ替わる場合に発生します。
不確実性が高かったり、そもそも何がゴールなのかを設定しにくい分野で、情報処理の負荷が高いうえに人がころころ変わるけど何かを決めてやらなければいけないという場合は、ゴミ箱モデルで意思決定がされている可能性が高いです。
行政組織や非営利組織には、リーダーが変わるごとに異なる問題と解決を常に提示していかなければならなかったり、人事異動で人がころころ変わるという性質から、究極的には利益というはっきりとした目的を持つ営利企業に比べてゴミ箱モデルになりやすいように思います。

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札幌の中小企業診断士 嶋田 雅人

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